キプチョゲが世界新でベルリン・マラソン優勝、史上初の2時間1分台
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【9月17日 AFP】第45回ベルリン・マラソン(45th Berlin Marathon)は16日、ドイツのベルリンで行われ、男子の部でケニアのエリウド・キプチョゲ(Eliud Kipchoge)が2時間1分39秒の世界新記録を樹立し、優勝を果たした。
五輪金メダリストでもある33歳は、25キロまで複数のペースメーカーに先導されながら走ると、スタート直後から一度も先頭を譲ることなくゴールし、デニス・キメット(Dennis Kimetto、ケニア)が4年前に出した世界記録を1分18秒も更新した。1回のレースでこれだけ世界記録が縮まるのは、1967年にオーストラリアのデレク・クレイトン(Derek Clayton)氏がそれまでの記録を2分23秒更新して以来のこととなる。
「『ありがとう』としか言えない」と喜んだキプチョゲは、「序盤から自分のペースで走る準備をしてきたから、1人になっても驚かなかった。今回のために良いトレーニングが積めていたし、コーチのプログラムを完全に信頼していた。ついに世界記録で走れてものすごくうれしい。自分を信じてやり続けてきた結果だ」とコメントした。
現代マラソン最強の選手と称されるキプチョゲは、5000メートルで世界陸上(IAAF World Championships in Athletics)の金メダルと銀メダル、五輪の銀メダルと銅メダルを獲得するなどトラックで実績を残した後、マラソンに転向。
2013年のハンブルクマラソン(Hamburg Marathon)でデビューを飾り、11戦10勝とマラソン界を席巻している。優勝したレースは2016年のリオデジャネイロ五輪の他、ベルリンとロンドン・マラソン(London Marathon)が3回ずつを数え、他にハンブルク、ロッテルダム・マラソン(Rotterdam Marathon)、シカゴ・マラソン(Bank of America Chicago Marathon)を制している。
2017年には夢の2時間切りまであとわずか25秒に迫るタイムを出したが、米スポーツ用品大手ナイキ(Nike)の協賛で行われたこの挑戦は、6人のペースメーカーが付き、さらにタイムを表示した車に先導されてイタリア・モンツァ(Monza)のサーキットを走るという極端なものだったため、国際陸上競技連盟(IAAF)から公式記録には認定されていない。
女子の部では、グラディス・チェロノ(Gladys Cherono、ケニア)が大会新記録となる2時間18分11秒の好タイムで優勝し、ケニア勢がアベック優勝を果たした。
女子では2位のルティ・アガ(Ruti Aga、エチオピア)が2時間18分34秒をマーク。また五輪と世界陸上でそれぞれ6個のメダルを獲得しているティルネシュ・ディババ(Tirunesh Dibaba、エチオピア)が2時間18分55秒で3位に入り、史上初めて上位3人が2時間19分を切った大会となった。(c)AFP/Christophe BEAUDUFE