シナーに出場停止3か月 男子テニス世界1位の薬物問題に決着
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【2月16日 AFP】男子テニス世界ランキング1位のヤニック・シナー(イタリア)は15日、禁止薬物のクロステボールの痕跡が2回検出された問題で、15日に世界反ドーピング機関(WADA)から3か月の出場停止処分を科された。
期間は2月9日から5月4日までで、5月25日に開幕する四大大会(グランドスラム)今季第2戦の全仏オープンは出場可能。全仏オープン前の最後の主要前哨戦である地元開催のイタリア国際も、処分明けの直後に始まるため出場できる。
シナーは昨年3月の検査で陽性反応が出たが、担当の理学療法士が切り傷を治療するためにクロステボールを含んだスプレーを使用し、その後で自身にマッサージとスポーツセラピーを行ったことで、物質が体内に混入したと主張した。
テニスの不正監視団体ITIAはシナーの説明を支持して処分を科さなかった。調査中も大会への出場を認め、当初は違反を公表しなかったが、WADAはこれを不服とし、スポーツ仲裁裁判所(CAS)に提訴して最大2年間の出場停止を求めていた。
シナーは声明で、「意図的ではなく、2度の陽性反応から競技上の優位性も得ていない」点をWADAに認められたとした上で、「自分のチームのことは常に私自身の責任である点は以前から認めており、またWADAの厳格なルールが私の愛するスポーツを守るために重要であることも理解している。そのため、3か月という制裁でこの問題を解決するというWADAの提案を受け入れた」と発表した。
WADAも「シナーに不正の意図はなかった」が、チームメンバーの行動の責任者として、処分を受けると発表。CASでの審理は4月に予定されていたが、今回の合意を受け、提訴も取り下げたと付け加えた。(c)AFP/Terence DALEY