【三里河中国経済観察】各地で新春第一会を開催 ビジネス環境の最適化を推進
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【2月10日 CNS】「華為技術(ファーウェイ、Huawei)は先端のデジタル技術で多様な産業を支援し、深度求索(DeepSeek)は恐れを知らぬ挑戦で米国のAI大手に衝撃を与え、連鎖的な影響を生み出した。宇樹科技(Unitree Robotics)のロボットは春節の中国中央電視台(CCTV)2025年春節連歓晩会の舞台に登場した」
中国経済の第一大省である広東省(Guangdong)の新年最初の会議で、黄坤明(Huang Kunming)省委書記は次々と先進的な技術革新企業を称賛した。
2024年、広東省は全国で初めてGDP14兆元(約291兆円)を突破し、36年連続で全国トップを維持した。民間経済は広東省全体のGDPの50%以上、税収の約60%、技術革新の成果の70%以上、新規雇用の80%以上、経営主体数の90%以上を占めている。
今後、民間企業支援の取り組みはさらに強化される。広東省発展改革委員会の関係者によると、省内に「民間経済局」が正式に設立され、民間企業を含むすべての企業の発展を積極的に支援していくという。
春節(旧正月、Lunar New Year)明けの最初の営業日に「新春第一会」と呼ばれる会議を開催することは、多くの地域で恒例となっている。三里河の取材では、上海市、江蘇省(Jiangsu)、河北省(Hebei)、遼寧省(Liaoning)などの地方政府も、ビジネス環境の最適化を最優先課題として、新年のスタートを切っていることが分かった。
上海市は8年連続で年始に「ビジネス環境の最適化」を掲げ、今年は「8.0版」の行動計画を発表した。その方針文書には「企業の満足度向上」という文言が大きく打ち出され、「ビジネス環境の最適化は企業支援である」という核心を明確に示している。
福建省(Fujian)福州市(Fuzhou)では、新春第一会の会場で400人以上の民間企業経営者に分厚い資料が配布された。そこには、ビジネス環境政策の解説、主要産業政策の一覧、金融支援策の詳細など、実用的な情報が詰め込まれていた。
企業が進出するかどうか、また進出後に定着できるかは、地域の資源や産業基盤だけでなく、政策の安定性や透明性、予測可能性、政府のサービス水準、市場における公平な競争環境といった要素にも大きく左右される。
ビジネス環境の良し悪しは、地域の総合的な競争力を示す指標であり、長期的な発展の「看板」でもある。過去1年間、多くの都市が企業誘致競争を繰り広げた。例えば、黒竜江省(Heilongjiang)ハルビン市(Harbin)は「ホスピタリティ型の都市イメージ」を前面に押し出し、サービス精神を強化。2024年の新規登記経営主体は19.3万件で前年比15.46%増加し、新規企業の増加率では全国15の副省級都市の中で第2位となった。
こうした事例からも分かるように、経済競争で優位に立つためには、「ビジネス環境(営商)」を最適化することで、「商機を勝ち取る(贏商)」ことが不可欠となる。
中国政府は長年にわたり、市場主導・法治主義・国際標準に基づくビジネス環境の整備を最優先課題としてきた。その方針のもと、「ビジネス環境の改善には終わりがなく、常により良いものを目指すべき」と強調している。現在、中国経済は高速成長期から高品質な発展段階へと移行しており、ビジネス環境の最適化は、リスクへの対応力を高め、安定した経済基盤を築くうえで重要な役割を果たしている。
中国貿易促進委員会が最近発表した「2024年度中国ビジネス環境研究報告」によると、調査対象企業の約90%が中国のビジネス環境に対し「非常に満足」または「比較的満足」と回答しており、2023年比で2.1ポイントの向上を見せた。
ビジネス環境の最適化には終わりがなく、それを実現するためには、新春第一会での計画策定だけでなく、長期的な視点に立った着実な取り組みが求められる。(c)CNS-三里河中国経済観察/JCM/AFPBB News