【2⽉8⽇ Peopleʼs Daily】中国は2024年12月にサウジアラビアで開催された「国連砂漠化対処条約(UNCCD)」(以下、条約)第16回締約国会議で、海外で初めて砂漠化防止と三北プロジェクトを紹介した。三北プロジェクトとは、乾燥地帯が広がる中国の西北地方、華北地方、東北地方で大規模な植樹などを進める取り組みだ。

 中国は世界で砂漠化面積が最も大きく、影響を受ける人口が最も多く、風砂の被害が最も深刻な国の一つだ。国家林業草原局砂漠化防止課の黄采芸(Huang Caiyi)課長は、「中国は長年にわたり砂漠化の防止と土地の回復を重要な作業にしてきました」と説明した。中国は40年余りのたゆまぬ努力を経て中国の特色を持つ砂防と治砂の道を進むことに成功し、世界が注目する巨大な成果を収めた。中国は今や、世界の緑化に最も貢献している国だ。

 中国政府は2024年に、320億元(約7530億円)を投入して287の重点プロジェクトに着手した。黄課長によると、三北防護林体系の建設と北京(Beijing)と天津(Tianjin)での風砂源対策、砂漠化した土地の保護修復などの重点プロジェクトは、砂漠化した土地5億3800万ムー(約35万9000平方キロ)を科学的に保護し、砂漠化した土地1億1800万ムー(約7万8700平方キロ)を効果的に改善した。三北プロジェクト対象地域の森林被覆率はそれまでの12.41%から13.84%に上昇し、水土流失面積の61%が抑制された。黄河流域の植生地帯は上流に向けて300キロ移動した。ここ10年、中国北部の深刻な黄砂現象は目に見えて減少した。

 乾燥地帯の経済と社会発展は新たな成果を収めた。黄課長は「各地は生態建設の産業化、産業発展の生態化を堅持し、砂漠地区の独特な資源を利用して伝統生薬、良質な牧草、果樹、砂漠観光などの産業を発展させています」と説明した。

 砂漠化は人類が直面する共通の試練であり、砂漠化防止は長期にわたる困難な作業だ。黄課長は「中国は条約が定める責務を真剣に履行してきました。中国国連砂漠化対処条約履行弁公室を設立し、国としての行動案を制定し、世界の砂漠化対策に積極的に参加しています。三北プロジェクトは国連環境計画(UNEP)の『世界ベスト500』に選出されました。国連砂漠化対処条約事務局は中国に砂漠化防止傑出貢献賞を2回授与しました」と紹介した。

 中国はアジア砂漠化防止閣僚級会議やアジア・アフリカ砂漠化防止会議を開催し、条約履行協力と行動の実施を促進している。中国は世界に向けての啓発活動を積極的に提唱し、条約締結国会議ではテーマを毎年設定して記念イベントを開催することを求めることを提案した。

 黄課長は、「国家林業草原局は、三北プロジェクトを中心に据えた砂漠化防止活動をさらに積極的に展開し、条約を真剣に履行し、世界の砂漠化対策に貢献していきます」と述べた。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News