中国からの提案:アジア繁栄の次の50年に向けて
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【1月17日 CNS】アジアの発展は活力に満ち、多様性を兼ね備えている。この地域には世界人口の半分以上が集中しており、過去50年間で経済的な成長と変革を遂げてきた。しかし、デジタル技術の台頭、地政学的な変化、気候変動や人口の高齢化といった課題が、グローバルな発展の構図を再定義している。
新興経済国としてのアジアが次の50年にどのように向かうべきか。浙江大学国際発展とガバナンス研究センターの主任である貢森(Gong Sen)氏がインタビューに応じ、アジアの過去50年の発展の流れを振り返り、変化する世界の中で直面する課題と未来の発展について語った。
貢森氏によれば、近代化と工業化はまずヨーロッパで始まり、その後アジアに広がった。第二次世界大戦後、日本は急速に発展し、1960年代末には「アジア四小龍」(香港、シンガポール、韓国、台湾)が登場し、世界経済の中心が次第にアジアに移行した。購買力平価で計算すると、2022年にはアジア諸国のGDP規模が世界の43パーセントを占めるまでになった。
経済成長は、アジアの主要な発展指標を大幅に改善させた。アジアの発展途上国では、1980年に約70パーセントだった極度の貧困率が2018年には7パーセント未満に減少した。この50年間、アジアは世界の製造業、貿易、投資の新しいエンジンとなり、多様化した輸出や革新能力の向上、都市化の進展を実現した。さらに、熟練労働者の増加や中間層の拡大、消費能力の向上もアジア全体の発展に寄与している。こうした進展は、世界および地域のガバナンス構造の変化にも影響を与えた。
現在、世界は発展戦略の転換点に差し掛かっている。これまで有効だった戦略が、今後数十年には通用しない可能性が高い。特に「東アジアの奇跡」を支えた製造業と輸出に基づく成長戦略は、低所得国にはもはや適用できないとされる。
そのため、アジアの次の50年の成長は、技術進歩と効果的な政策に依存している。アジア経済には引き続き急速に発展する可能性があり、これによりグローバル経済や地政学の構図が再構築されるだろう。
貢森氏は、アジアの発展途上国が未来の成長を実現するために注力すべき分野として「グリーン転換」と「サービス業の質の向上」を挙げた。グリーン転換では、エネルギーシステムの変革、農業の近代化、気候変動への適応能力の向上が含まれる。また、サービス業はアジアの発展途上国において主要な雇用創出部門となる。政府はサービス業の発展を通じて、より良く効率的な雇用機会を創出するべきだと述べた。
21世紀は、多極化がバランスよく進む時代となる可能性がある一方、不安定性やリスクも孕んでいる。国際社会は保護主義や地経済的分断を避け、グローバルな協力を進めるべきだ。アジアは、より活力のある効果的な地域協力メカニズムを構築し、サプライチェーンの安定を確保しながら地域成長を促進し、リスクへの対応力を高めるべきだ。また、アジア内部での経済循環を強化し、新たな成長拠点を見出すことが、全アジアの持続可能な発展に繋がると指摘した。(c)CNS/JCM/AFPBB News