イスラエル、対イラン攻撃「国益で」判断 米報道内容に逆行
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【10月15日 AFP】イスラエル首相府は15日、イランによるミサイル攻撃への報復計画については米政府の意見を考慮に入れるが、「最終決定は国益に基づいて下す」とする見解を発表した。
イランは今月1日、レバノンのイスラム教シーア派(Shiite)組織ヒズボラ(Hezbollah)の最高指導者ハッサン・ナスララ(Hassan Nasrallah)師とイラン革命防衛隊(IRGC)の指揮官アッバス・ニルフォルシャン(Abbas Nilforoushan)氏が殺害されたことへの報復として、イスラエルに対し、ミサイル約200発を発射する集中攻撃を行った。
イスラエルがイランに報復する意向を表明したことから、ジョー・バイデン(Joe Biden)米大統領は、中東地域での紛争拡大を回避するため、イランの核施設や石油施設への攻撃を行わないようイスラエルに警告。エネルギー価格の世界的高騰も懸念される事態に発展していた。
イスラエル首相府による15日の声明発表に先立ち、米ワシントン・ポスト紙は、匿名の米政府高官の話として、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相はホワイトハウス(White House)に対して、標的は軍事施設のみに限定すると確約したと報道。
ウォールストリート・ジャーナルも、先週のバイデン氏とネタニヤフ氏との電話会談や、ここ数日のロイド・オースティン(Lloyd Austin)米国防長官とイスラエルのヨアブ・ガラント(Yoav Gallant)国防相との会談で約束が交わされたと伝えていた。
こうした状況からワシントン・ポストは、イスラエル側の攻撃計画は「米政権に安堵(あんど)をもたらした」と報じていた。(c)AFP