【10月15日 CGTN Japanese】中国国慶節の大型連休中、中国中部の湖南省に住む6歳の男児が家族と一緒に旅行へ出かけた際、突然高熱を出し、咽頭痛や嚥下(えんげ)障害も伴い、首の両側に卵大の「肉コブ」ができました。地元の医師に化膿性扁桃腺炎と診断され、5日間治療を受けましたが、高熱や咽頭痛が続き、食事もうまく取れなくなりました。その後、湖南省中医薬大学第一付属病院に搬送され、医師は男児がEBウイルスに感染したと診断しました。同病院では最近、EBウイルスに感染した子どもの患者を10人以上も治療したとのことです。

 EBウイルスはヘルペスウイルスの一種で、感染すると伝染性単核症、一般的に「キス病」と呼ばれる急性自己限定疾患を発症し、春や秋に流行します。成人の9割以上がEBウイルスに感染していますが、その多くは乳幼児か、子どもの時期に感染したもので、EBウイルスが体内に潜伏し、生涯体内に残り続けるケースもあります。ただし、成人は免疫力が強く、発症しないケースが多いです。EBウイルスは主に唾液を介して感染します。例えば、キスをしたり、食器やコップなどを共有したりすると、感染リスクが高まります。またEBウイルスの症状には、発熱、咽頭炎、リンパ節の腫れが挙げられます。

 医師によりますと、秋から冬は気温が急に下がり、子どもの免疫力が弱くなり、ウイルスに感染しやすくなるため、親は子どもへのキスを控えるべきです。特に、呼吸器感染症、口腔疾患、ヘルペスのある人は、子どもと適切な距離を置くべきとされます。キス病の症状は普通の風邪やインフルエンザと似ており、誤診されやすいのですが、普通の風邪やインフルエンザに比べて、キス病では、両頸部、肝臓、脾臓などにリンパ節の腫れが現れます。キス病は多くの場合、予後は良好ですが、血球貪食症候群、脳炎、心筋炎、溶血性貧血などの合併症を招く恐れもあるとのことです。(c)CGTN Japanese/AFPBB News