中国、「低空経済」が新たな職業生む 専門人材が不足
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【10月11日 Xinhua News】中国国家発展改革委員会の李春臨(り・しゅんりん)副主任はこのほど、国務院新聞(報道)弁公室の記者会見で就業に関する質問に応じ、新たな経済形態も就業の新たな需要を生み出すとの認識を示した。「具体例として、低高度空域を飛ぶ有人・無人航空機を活用した経済活動『低空経済』の急速な発展により、無人機(ドローン)操縦士という新たな職業が誕生した。関係部門の推計では、中国ではこの職業の人材が現時点で100万人不足している」と述べた。
今年4月に中国民用航空局が発表した「民用無人機操縦士とクラウドシステムデータ統計報告(2023年)」によると、中国では民間無人航空機産業が勢いよく発展し、無人機操縦士の数が増え続けている。23年末時点で無人機操縦士のライセンス保有者数は前年同期比5万6千人増の19万4400人に上った。
それでも無人機業界は一定程度の人材不足に直面している。人力資源社会保障部が19年に発表した「新職業の無人機操縦士の就業景気現状分析報告」によると、各業界で無人機の導入が進む中、米調査会社IDCは中国の無人機年間販売台数が19年末に196万台に上ると予測した。うち一般消費者向けは150万台、産業用は46万台で、無人機操縦士の人材需要は向こう5年で100万人に迫るとの見通しを示した。
無人機操縦士だけでなく、「無人機装調検修工」(設備やツール、専用ソフトウエアなどを使用し、無人機部品の選択や組み立て、デバッグ、点検、メンテナンスなどを行う専門人材)も不足していると考えられる。人力資源社会保障部が20年発表した「新職業の無人機装調検修工の就業景気現状分析報告」によると、無人機装調検修工関連の就業者数は数百万人に上る。中国は無人機の産業応用で重要な市場であり、向こう5年の無人機装調検修工の求人数は約350万人を見込む。(c)Xinhua News/AFPBB News