【9⽉21⽇ Peopleʼs Daily】近年、中国のコーヒー産業は盛んに発展している。コーヒーの貿易に関する協定を策定する国際コーヒー機関によると、2023年の中国のコーヒー需要は前年比で15%増加した。英国の調査会社であるワールドコーヒーポータルによると、同年には中国で営業中のコーヒーショップ数が前年比で58%増加し、中国は米国を抜いて世界で最も多くのコーヒーショップがある国になった。

 雲南農業大学(Yunnan Agricultural University)副学長でもある雲南省コーヒー現代産業学院の李宏(Li Hong)院長は、中国のコーヒー産業の「爆発的」発展は産業チェーンの各段階に現れていると述べた。まず、中国は国外の優良品種を導入して国産の優良品種の育成を加速している。また、各種の現代農業科学技術を応用してコーヒーの生産量と品質を向上させている。次に、グリーン低炭素技術の普及と応用を重視し、コーヒーの一次加工に伴う汚染の解決に力を入れている。コーヒー豆の栽培面積と生産量でいずれも中国全国の98%を超える雲南省(Yunnan)では、地元行政とコーヒー農園を経営する企業、農園で働く作業員がしっかりと提携し、新たな技術を農民に伝授し、企業にも新たな技術の成果を導入させる取り組みも行われている。また、「コーヒー観光」を振興することで地元住民の増収を実現している。

 李院長によると、中国でのコーヒー産業の急発展の土台は巨大な消費市場の存在で、特に若い世代の好みの変化や購買能力の向上が重要だ。一方で企業側は多くの新製品を絶えず発表し、コーヒー関連商品の市場開拓を進めている。さらに、コーヒー関連の科学技術の向上が進められ、優良品種の育成、プレミアムコーヒーの生産、多彩な商品ラインアップが急速に進行した。コーヒー関連企業はマーケティング方式の改善を続けており、コーヒーの販売ルートが急速に広まった。

 外部要因としては、世界のコーヒー関連企業が中国市場の潜在力を注視し、対中投資を実施した。その結果、さまざまな形態のチェーン店やさまざまなブランドがもたらされ、中国にコーヒー消費の増加とコーヒー文化の浸透をもたらした。貿易の利便性の向上に伴い、大量のコーヒー豆などが多くのルートで中国に輸入され、コーヒー産業の発展に十分な原料供給体制が出現した。

 しかし、海外の伝統的なコーヒー国と比べて、中国のコーヒー産業には今も問題がある。例えば、大部分のコーヒー栽培品種は海外から導入する必要があり、コーヒーの生産加工技術はコーヒー先進国とは一定の差があり、中国のコーヒー業界にはブランド確立やマーケティング能力の向上といった課題がある。

 一方で専門家の間では、中国で国境を越えてコーヒー文化が融合することで、「中国式コーヒー文化」が形成されつつあることは中国独特のチャンスとする見方も出ている。独特な「中国式新コーヒー」をより多く発売することで、中国ではコーヒー市場をさらに深く掘り起こせるとの見方だ。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News