【8月28日 Xinhua News】中国北京市で21~25日、中国電子学会と世界ロボット協力機構(WRCO)が主催する2024年世界ロボット大会が開催された。シンポジウムやフォーラムでは国内外の専門家や学者400人余りがロボットの先端技術と産業発展に焦点を当て意見を交換した。博覧会では169社が出展し、初公開となる60点の新製品を含む600点以上の革新的なロボットを発表した。

 ロボットは人工知能(AI)技術と実体経済が深く融合する重要な分野。国際ロボット連盟(IFR)のマリーナ・ビル会長は会議で、工業生産、医療保健、家事支援、緊急救助など、ロボットは既に人間社会に欠かせない存在になっていると指摘。世界のロボット市場は力強い成長を続け、2023年には世界のロボットの総数は400万台を超えたと紹介した。

 中国のロボット産業は急速に発展し、規模も拡大を続けており、既に世界のロボット産業を支える重要な力になっている。中国工業情報化部によると、中国のロボット関連の有効特許件数は2024年7月時点で19万件を超え、世界の約3分の2を占めた。中国は11年連続で世界最大の産業用ロボット市場となり、この3年で新しく導入されたロボットの数は世界の半分以上を占めた。サービスロボットは家事支援、医療・介護などの分野で大規模活用が実現し、特殊ロボットは空や海での探査、緊急救助などの分野で重要な役割を果たしている。

 ここ数年、北京や上海、浙江、成都などがロボット産業の発展に力を入れている。2023年、北京のロボット産業の総収入は200億元(1元=約20円)を超え、関連企業数は400社以上、うち専精特新(専門化、精密化、特色化、斬新化)の「小さな巨人」(大きな成長が見込まれる企業)が50社と全国で最も多い。

 北京具身智能ロボットイノベーションセンターのアルゴリズム専門家、孫雲哲(そん・うんてつ)氏は「家庭用ロボットよりも、危険、劣悪な環境で特定の作業を行うロボットにより力を入れて開発したい」と述べ、今年下半期にはある電力企業と協力し、特別高圧電力設備における作業を行うロボットの研究開発を計画していると紹介した。

 博覧会の会場では、アームを用いてさまざまな作業をこなすロボットも人々を驚かせた。初出展した山東省の産業ロボット企業、煙台艾創ロボット科技は、210キロある6軸ロボット数台を展示し、長さ2・7メートルの鋼鉄アームで自動車の自動溶接技術を披露した。

 同社の張豪(ちょう・ごう)北方エリア総監は「われわれが開発したロボットは研磨、溶接、運搬など多くの場面で活用できる。現在10カ国以上に輸出され、売れ行きも好調だ。次回の展示会への参加申請も済ませており、国内外のメーカーとの連携を強化したい」と話した。

 中国工業情報化部の辛国斌(しん・こくひん)副部長は「人とロボットが融合するインテリジェントな時代が加速している」と指摘。AIなどの新技術の融合と革新はロボット技術と製品に変化をもたらし、産業チェーンの再構築を加速させていると語った。その上で、中国は「ロボット+(プラス)」応用アクションをしっかりと実施しているとし、さまざまな産業におけるロボットの活用を促進して、ロボット応用の深さと幅をより高いレベルに引き上げていくと述べた。(c)Xinhua News/AFPBB News