【8⽉28⽇ Peopleʼs Daily】ロボット製造企業の広東翠峰ロボット科技では、ロボット技術者の荘永春(Zhuang Yongchun)さんが回転するロボットハンドの前に立ち、ロボットハンドが指示に従って連続動作を正確かつスムーズにこなすかどうかをチェックしていた。荘さんは「ロボットに言いつけ通りにネジを打たせたり、箱の中のネジをつかみ取らせたりするのは簡単ではありません」と説明した。荘さんの仕事は産業用ロボットの開発と応用だ。

 医療機器用金属板を生産するある工場は、工程の自動化を考えていた。荘さんは現場に来て状況を調べた。荘さんは「まず、折り曲げ機の状態を見て、われわれの装置と組み合わせることができるかどうか、そしてプレス機の台部分と金型が要求を満たすかどうかを見ます」と説明した。

 荘さんは会社に戻って同僚と議論し、設計の方針を決め、動作をシミュレーションして設計を行った。荘さんは、「案が決まれば合意書を締結します。先方が購入注文を出すと、われわれは図面の作成、調達、組み立て、動作テスト、信号テスト、ハードウエアテストなどを実施します。生産ラインの自動化は、設計から設置、生産開始まで、例えば10台のロボットを投入するならば、5日から10日かかります」と述べた。

 金属板の折り曲げ加工は、私たちの生活に欠かせない工程だ。テレビ、冷蔵庫、コンピューターシャーシ、自動販売機、データセンターサーバーなど、社会に大量に存在するこれらの製品を作るのに、金属板の折り曲げ加工は欠かせない。

 荘さんはかつて、広東省(Guangdong)東莞市(Dongguan)内の多くの企業を訪れて、多くの工場が人手に頼って金属板の折り曲げ加工を行っていることを知った。荘さんは「人の手での作業は偏りが生じやすく、不良品が生じやすいのです」と説明した。荘さんは「労働者の負担を軽減し、効率を向上させるロボットを開発することはできないだろうか」と考えた。

 金属板折り曲げロボットの難点は、板金をつかんで折り曲げる際に、板が外れやすいことだった。荘さんは「この技術は中国でも国外でも空白状態でした」と説明した。プログラミング、回路、工作機械、工程設計――。荘さんはロボットに関する各技術を総合的に学び直し、自分の知識体系を更新し、研究開発に打ち込んだ。

 荘さんによると、1年間をかけて金属板折り曲げロボットの開発に成功した。そして、その技術を全国の板金業界に持ち込んだ。現在までに10以上の省と市の60社以上が金属板折り曲げロボットを採用した。

 荘さんはロボット開発の傍ら、人材育成も行っている。今では、ここ数年で育成したロボット技術者数百人が、工場の第一線で、各種のロボットを操作している。

 荘さんは、「技術も絶えず前進しています。時代の歩みに合わせて絶えず進歩せねばなりません。国の産業のスマート化と高度化の過程で、より多くの人材がロボット技術者のような新しい職業に就くことを期待します」と述べた。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News