【8月27日 Xinhua News】中国海南省三沙市海洋保護区管理局は14日、西沙群島で今年に入ってから同日までに発見されたウミガメの巣は115個で、うち20個は「七連嶼」(三沙市が管轄する永興島の北側約10キロメートルの位置にある七つの島と岩礁)の北島で見つかったと明らかにした。過去7年間に北島で発見されたウミガメの巣の総数は同群島全体の37%を占め、北島は現在、国内最大のアオウミガメの産卵地とされている。

 北島で今年初めてウミガメの産卵が確認されたのは6月13日で、例年よりやや遅めだった。三沙市北島社区(コミュニティー)居民委員会の黄程(おう・てい)主任が同日早朝、砂浜を巡回していた時、ウミガメが砂浜をはった跡と産卵のために掘ったとみられる穴を発見した。黄主任は1997年、15歳の時に父親と北島へ行き、以来、父の思いを受け継ぎウミガメの保護を続けている。親子2代にわたって北島を保護し、生命の海を守る物語は、南中国海の海洋生態系を保護する人々の努力の縮図とされる。

 研究者や巡視員らは普段、島の施設の維持やコミュニティーの事務処理を行う以外に、島や岩礁の巡回、植樹、海洋ごみの清掃、保護されたウミガメの餌やりなどに協力する必要がある。研究者らが西沙諸島で実際にウミガメの研究や保護に従事できるようになったのは、2012年に三沙市が設立し、15年に北島ウミガメ保護ステーションが設立されたことに始まる。

 三沙市海洋保護区管理局は21年、同ステーションを正式に引き継ぎ、三沙市北島ウミガメ保護センターを設立した。アモイ大学や中山大学、海南師範大学、中国水産科学研究院南海水産研究所の科学研究チームが島内に実験室や研究基地を相次ぎ設立し、保護を目的としたアオウミガメ個体群の現状調査、ウミガメ生態学、保護生物学などの関連課題研究に取り組んでいる。

 三沙市はここ数年、ウミガメの生息地や海洋生態系、島・岩礁の環境整備と修復を強化し、ウミガメの上陸と産卵を24時間体制で監視、保護している。

 同市海洋保護区管理局によると、西沙諸島で17~23年に発見されたアオウミガメの巣は1734個で、主に北島、南島、南沙州、中沙州、晋卿島、甘泉島などの島や岩礁に分布しているという。(c)Xinhua News/AFPBB News