【8⽉9⽇ Peopleʼs Daily】タイのチャンタブリー県のあるマンゴスチン選別場では、まだ午前6時というのに果実選別機がフル稼働していた。タイ・マンゴスチン協会のピッパート(Pippat)副会長は、農家は前日の日没時から、その日の収穫分を持ち込むと説明した。扱っているマンゴスチンは中国に輸出される。

 チャンタブリー県のモンシト(Monsit)県知事は「タイ東部のチャンタブリー県、ラヨーン県、トラート県などは熱帯果物の主たる産地です」と説明した。タイ東部地域の果物産業には数万人が従事している。農民の収入が増え、生活は豊かになりつつある。モンシト知事は「中国市場とのもっと緊密な協力関係がさらに多く築かれることに期待します」と語った。

 中越国境にある広西チワン族自治区(Guangxi Zhuang Autonomous Region)の憑祥市(Pingxiang)友誼関通関所には、東南アジア産の果物を満載した冷蔵トラックが、ひっきりなしにやって来る。現地税関監督課の黄菲菲(Huang Feifei)課長によれば、通関所には「ドリアン専用通路」などが設けられ、スマート検査補助管理システムも導入された。検査場所の稼働効率が35%向上し、検疫処理時間は以前の3割程度になったという。

 友誼関通関所は中国最大の陸路の果物貿易の通関所で、2023年の果物輸入量は前年比262.9%増の239億2000万元(約4900億円)だった。タイ・マンゴスチン協会のパトマ・ナムウォン(Pattama Namwong)会長は、地域的な包括的経済連携(RCEP)協定と西部陸海新ルートの建設加速のおかげで、越境輸送手続きが簡便化され、通関効率が大幅に向上したことで果物貿易が盛んになったと述べた。

 広西チワン族自治区崇左市(Chongzuo)にある中国と東南アジアの果物取引センターのスクリーンには、果物の取引データが絶えず流れていく。このオンラインプラットフォームでは2024年6月30日までに累計17万4654件の国際取引が行われ、取引量は340万7600トン、取引金額は150億3800万元(約3080億円)に達した。オンラインとオフラインの2種類の取引方式が確立したことで、東南アジア産果物の円滑な流通が後押しされているという。

 ここでは東南アジア産の果物のライブ販売も行われている。ライブ販売を行う一人の今年24歳になる葉泓枡(Ye Hongsheng)さんは「多くの消費者がライブ配信を通じての買い物を好みます。私にも熱心なファンがかなりたくさんいますよ」と説明した。葉さんの母親の婁嬌月(Lou Jiaoyue)さんは、「私たちはタイのチャンタブリー県で1000ムー(約0.67平方キロ)のドリアン果樹園の代理販売をしています。ベトナムのティエンザン省やダクラク省の農家とも協力関係です」と話した。

 生鮮果物は冷蔵された状態で主に空輸と道路輸送で運ばれており、湖南省(Hunan)や湖北省(Hubei)にはほぼ12時間以内に、江蘇省(Jiangsu)や浙江省(Zhejiang)などにはほぼ48時間以内に届く。婁さんは「中国の消費者の東南アジア産の果物に対する需要が急増しています。東南アジア産の果物市場の将来に大きく期待しています」と述べた。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News