【7月27日 AFP】パリ五輪に出場しているサッカー女子カナダ代表の関係者がドローンを飛ばして対戦相手を偵察していた問題で、同国サッカー協会(CSA)のケビン・ブルー(Kevin Blue)事務総長は26日、選手たちは不正な映像を一切見ていなかったとして、処分を科すべきではないと国際サッカー連盟(FIFA)に訴えた。

 CSAは25日、大会前にドローンを使用したスパイ行為に関する最初の調査の結果、チームを率いていたベブ・プリーストマン(Bev Priestman)監督が職務停止処分を科されたと発表。この前日には、アシスタントコーチのジャスミン・マンダー(Jasmine Mander)氏と分析官のジョーイ・ロンバルディ(Joey Lombardi)氏が、今回のスキャンダルへの関与で帰国処分となっていた。

 ブルー氏は報道陣に対し、カナダ女子代表のコーチ陣による「率直に言って、倫理に欠ける受け入れがたい事案」があったとコメントする一方で、FIFAに対して減点処分を科さないよう訴え、「選手たち自身はいかなる非倫理的な行為にも関与していない」「FIFAがさらなる処分を検討するなら、率直なところこの点を考慮するよう求めたい」と述べた。

 また、内部から新たな情報を得たことにより、「この種の行為が組織的である可能性について、さらに考えていく理由ができた」とし、「きのう受け取った明確な情報によって、この問題がさらに広がっていく可能性があるとの考えに達した」とも語った。

 前回大会覇者のカナダはチームをめぐる今回の騒動にもかかわらず、25日に行われたグループA初戦でニュージーランドに2-1で勝利した。

 選手たちは試合後、自分たちは不正行為に関与していないと主張。DFバネッサ・ジル(Vanessa Gilles)は、「五輪はフェアプレーを象徴している。カナダ人として、これら(不正行為)はわれわれや自国の価値観と異なっている。私たちは不正をしない。とても困難なことだったが、私たちは団結する方法を分かっていた」と話した。(c)AFP/Rob Woollard