【7月27日 AFP】パリ五輪の競泳で自国の選手2人を抑えて韓国選手が優勝することを願っていると話したオーストラリア代表のコーチが26日、帰国処分を免れた。その理由について関係者は、あまりにも混乱を招く可能性が高いと判断したと説明した。

 豪競泳代表のコーチを務めるマイケル・パルフリー(Michael Palfrey)氏は先日、韓国メディアに対し、男子400メートル自由形では自国のサミュエル・ショート(Samuel Short)とエライジャ・ウィニントン(Elijah Winnington)よりも、韓国の金遇旼(Kim Woo-min)が金メダルを獲得することを願うと話した。

 いずれも世界水泳選手権(World Aquatics Championships)の元王者である3人は、ラ・デファンス・アリーナ(La Defense Arena)で行われる競泳初日の27日に激突する。

 豪競泳代表を率いるローハン・テーラー(Rohan Taylor)ヘッドコーチ(HC)は、パルフリー氏の発言について「非オーストラリア的だ」「極めて失望した」とコメントし、同氏を強制帰国させることも辞さない姿勢を示していたが、メンバー41人の競泳チーム全体の安泰を考慮し、処分を思いとどまったという。

 テーラー氏は声明で、「パルフリーを残すか、あるいは帰国させるか、われわれはこの二つの選択肢を慎重に検討した」「選手たち、その各リーダーたち、そしてコーチングスタッフと長時間にわたって話し合った結果、マイケルを残すことに決めた」と説明。さらには「これは軽々しく捉えられることではない。帰国後にも引き続き議論していくことを強調する」と述べた。

 パルフリー氏は男子のザック・インセルティ(Zac Incerti)をはじめ、女子のアビー・コナー(Abbey Connor)とアレクサンドリア・パーキンス(Alexandria Perkins)を担当している一方で、大会前には豪ブリスベンで金も指導していた。

 豪紙シドニー・モーニング・ヘラルドによると、パルフリー氏は韓国記者団とのインタビューの際に、オーストラリアのチームカラーを着用していた中、金への期待を口にした際には「ゴー、韓国」と話していたという。(c)AFP