【7月26日 AFP】アフリカ南部ジンバブエは25日、パリ五輪に派遣するわずか7人の代表選手団に多数の役人が同行したとの報道により巻き起こった騒動の火消しに追われ、大半は選手団の正式な一員ではないと釈明した。

 オンライン上には公金の無駄遣いだとする怒りのコメントがあふれた。ジンバブエオリンピック委員会(ZOC)は26日の開会式を前に、選手団と共にフランスに渡ったのはコーチや本部役員を含む9人のスタッフだけだと述べた。

「しかし、私たちは他にも技術スタッフや、審判員として直接招待された高官、ゲストとしてなど、さまざまな立場で多くのジンバブエ人がパリにいることを認識している」とZOCのタバニ・ゴニエ(Thabani Gonye)会長は述べた。「これらの人々はジンバブエ選手団の一員ではないが、ジンバブエ人全員が歓迎され、自由に代表選手を応援できる」

 この声明は、貧困に苦しむ同国が、コンスタンティーノ・チウェンガ(Constantino Chiwenga)副大統領やカースティ・コベントリー(Kirsty Coventry)スポーツ相を含む60人以上もの選手団を派遣したという報道を受けて出された。中にはプライベートジェットで移動したケースもあったという。

「選手団の規模が非常に大きく、特にアスリートの少なさと対照的であることは、政府の優先事項とリソース配分について深刻な疑問が浮上する。特に、大規模な選手団を派遣したにもかかわらずスタッフをほとんど伴っていない国々に干ばつ対策支援を求めている時期には」と著名なジャーナリストで活動家のホープウェル・チノノ(Hopewell Chin'ono)氏はX(旧ツイッター)に投稿した。

 これに対し政府の報道官は、チウェンガ副大統領は五輪の開会式と投資誘致など「他の業務」のため、コベントリー・スポーツ相は国際オリンピック委員会(IOC)のメンバーとしてパリにいると釈明した。

 ジンバブエは、アフリカ南部の食糧不足に苦しむ国々の一つであり、長期にわたり深刻な干ばつの影響を受けている。5月にエマーソン・ムナンガグワ(Emmerson Mnangagwa)大統領は非常事態を宣言し、干ばつに対応するために少なくとも20億ドル(約3070億円)が必要だと述べた。(c)AFP