【7月21日 CGTN Japanese】第2回中国青海・チベット科学調査の重点任務であるナムツォ(納木錯)国際大陸科学掘削計画は17日午後1時、42日間にわたる連続作業を経て無事終了しました。科学探査隊はナムツォの湖底で七つの穴を掘削し、湖底から長さ951.12メートルのコアを採取しました。うち7番目の穴の掘削深度は510.2メートルに達し、中国の湖沼掘削最深記録を再び更新しました。

 ナムツォは中国北西部の青海・チベット高原の奥地に位置し、ラサとナクチュ(那曲)の間にあるチベットで2番目に大きい湖です。湖面の標高は4718メートル、最大水深は約100メートルです。

 今回の科学探査隊のリーダーを務める中国科学院青海・チベット高原研究所の王君波研究員は、「努力の結果、総延長1000メートル近くのコアを採取して、青海・チベット高原の古代気候学や湖の古生態学と進化、三極連動など多岐にわたる科学研究に活用できる。今回のナムツォ国際大陸科学掘削計画には中国、ドイツ、スイス、英国などの研究機構から70人以上の科学探査隊員が参加した」と述べました。

 コアとは、湖底に保存されている堆積物で、中にはケイ藻などの重要な生物群集を含む気候や環境変化の豊富な情報が含まれています。ナムツォ国際大陸科学掘削計画の首席科学者で、中国科学院青海・チベット高原研究所の朱立平研究員によりますと、最終的な掘削深度は510.2メートルに達し、1000メートルに近いコアを採取したことは、青海・チベット高原の過去100万年に及ぶ気候や環境変化を研究する上で新たな科学的証拠を提供するとのことです。(c)CGTN Japanese/AFPBB News