【7月16日 AFP】北朝鮮の駐キューバ外交官が昨年11月、韓国に亡命していたことが分かった。韓国の保守系紙・朝鮮日報が16日、伝えた。

 朝鮮日報によると、亡命したのは北朝鮮大使館のリ・イルギュ(Ri Il Kyu)政務参事官。2019年に着任し、「韓国・キューバ間の外交関係の樹立を阻止」する特命を帯びていたという。

 リ氏は昨年11月初め、妻子とともに亡命。2016年に韓国に亡命した太永浩(テ・ヨンホ、Thae Yong Ho)駐英公使(当時)に次ぐ、高位外交官の亡命となった。

 韓国の統一、外務両省ともにAFPに対し、事実関係は確認できないとしている。統一省によれば、昨年は韓国入りした脱北者の数が196人とここ数年で最多となったが、そのうちエリート層は約10人を占め、増加傾向にある。

 リ氏の亡命の約3か月後、韓国とキューバは国交正常化を発表した。

 リ氏は朝鮮日報に掲載された独占インタビュー記事の中で、けがをした際、メキシコでの治療を希望したが本国に拒否され、その後に亡命を決意したと説明。キューバには特別な機器がなく、必要な処置を受けられなかったとしている。

 同氏はまた、「北朝鮮の体制と希望のない将来への幻滅から亡命を考えるようになった」と語っている。(c)AFP