【7⽉22⽇ Peopleʼs Daily】中国では果物類の輸入が活発になっている。昨年末時点では19の国と地域側が20種余りの生鮮果物について、検疫について中国側と合意した。同年通年の中国の果物輸入額は前年比15%増の168億5000万ドル(約2兆7200億円)で、輸入量は同3%増の752万4000トンだった。

 ラオスからやって来た標準コンテナ37個を搭載した国際快速貨物列車が、中国に入国するための国境検査所に停車した。積み荷は果物だ。検査官の作業はわずか16分で終了した。今年に入ってから中国・ラオス鉄道が越境輸送した貨物は前年同期比21.7%の248万7000トンで、うち中国が輸入した果物は8万2281トンだった。

 輸入果物の増加に伴い、通関にはスピードが求められるようになった。中国・ラオス鉄道の通関場所を担当する雲南省(Yunnan)の勐臘税関の関係者によると、鉄道輸入での「事前申告」や快速検査の実施、さらにスマート検査機器も導入して厳格な管理と高効率性の両立を実現した。

 2022年1月1日に地域的な包括的経済連携(RCEP)協定が正式発効したこともあり、中国とRCEP加盟国間の農産物貿易は活気を帯びている。輸入果物の中には「チャーター船」や「チャーター機」で運ばれるものもある。2024年通年で中国に運ばれるニュージーランドのゼスプリ・インターナショナル(Zespri International)が扱うキウイフルーツは14億個に達する見込みだ。新疆(Xinjiang Uighur Autonomous Region)では、パキスタン産の桜桃が新疆に初めて到着すると、直ちに航空機に積み替えられて上海(Shanghai)などの都市に送られた。

 タイのチャンタブリー県(Chanthaburi)内のドリアン農園では、農園の支配人がドリアンの木々を背景に、中国のネットユーザー向けにドリアンを売り込んだ。現地はタイ東部にあるドリアンの産地で、この農園はタイ側と中国側が共同で建設した、栽培をITで管理するスマート農園だ。

 中国側はライブ配信室の構築でもタイの果樹農家の売り込みを支援している。6月18日の販促イベントでは、阿里巴巴集団(アリババグループ、Alibaba Group)のネット販売プラットフォームである天猫(Tmall)を通じて販売されたドリアンは前年の同じイベントの5倍に達し、最大で1日に5万個以上が売れた。

 中国の一部企業は東南アジアに人員を派遣して、デジタル技術を駆使して果樹園での栽培段階から生産、包装、輸送などの各段階で果物の品質をモニタリングしている。アフリカからも、エジプトのオレンジやキワノなどの果物が次々と中国市場に進出している。南米では、中国の農業技術と良質な果物品種が導入され、チリの桜桃やペルーのブルーベリーが中国市場を積極的に開拓している。

 専門家は「中国の消費者は良質で特色のある輸入果物を買いたいと考えている。世界の果物生産国にとって大きなチャンスだ」と指摘する。中国の開放拡大に伴い、低関税、迅速な検査検疫などの良好な政策が次々と打ち出されている。中国人消費者は今後、各国からの果物をさらに多く「買い物かご」に入れるだろう。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News