【7月13日 AFP】ドイツの労働裁判所は12日、サッカー同国ブンデスリーガ1部のマインツ05(Mainz 05)が、SNSでイスラエルとイスラム組織ハマス(Hamas)の武力衝突に関する発信をしたFWアンワル・エル・ガジ(Anwar El Ghazi)選手との契約を解除したのは、不当であるとの判断を下した。

 マインツ(Mainz)市の裁判所は、エル・ガジ選手を解雇したクラブの決定は「雇用関係を終了させるものではなく」、契約は有効なままだと述べた。同国スポーツ通信社SIDによると、この判決によりエル・ガジ選手はクラブから150万ユーロ(約2億5900万円)以上の賠償金を得られることになる。

 エル・ガジ選手は紛争が始まった昨年10月、「川から海まで、パレスチナを自由に」というフレーズを含む複数の投稿を行い、クラブから活動停止処分を受けた。このスローガンについては、イスラエルの破壊を呼び掛けるものとする見方もあれば、パレスチナとイスラエルの対等性をアピールするものだという解釈もある。

 クラブはその後、エル・ガジ選手が投稿から「明確に距離を置いた」ことを受け、復帰を認める可能性に言及していたが、エル・ガジ選手はSNSでこの主張に異議を唱え、「自分の立場については後悔も反省もしていない」とし、クラブから即時契約解除となっていた。

 裁判所はエル・ガジ選手の後者の発言は「表現の自由によって保護されている」として、同選手を解雇したマインツ05の決定は不当であるとの判断を下した。(c)AFP