【6⽉8⽇ Peopleʼs Daily】中国・青海省(Qinghai)は黄土高原とチベット高原が接続する地であり、長江(揚子江、Yangtze River)、黄河(Yellow River)、メコン川(瀾滄江、Mekong)の源流があることから、「三江源区」や「中華給水塔」などと呼ばれる。そのため、同省では環境と生態系の保護にとりわけ力が入れられている。

 その成果として、ここ数年は三江源区の水源涵養機能が高まり、砂漠は縮小して草原被覆率が向上してきた。野生動植物の個体数は増加し続け、大気の質では優良と判定される日数が95%以上に達し、重要河川、湖沼、水源機能区の水質基準達成率は100%で、湿地面積は全国一だ。青海省では、国立公園を中心とする自然保護地体系の構築が加速し、生態系維持の安全性がさらに固まりつつある。

 青海省では2023年、砂防対策を施した土地面積が目標を18%上回る9万7000ヘクタールに達した。義務植樹の参加者は延べ300万人で、1800万本余りを植えた。また、「宇宙空間・大気圏・地上一体型」の生態環境監視網の基盤も構築された。

 同省海西モンゴル族チベット族自治州(Haixi Mongol and Tibetan Autonomous Prefecture)ドラーン県(Dulaan)内のクコ果樹園では、経営者の丁霊(Ding Ling)さんが作業員を率いてクコの世話に励んでいた。浅黒く日焼けした丁さんは、「この2年間は相場が良いです。良好な生態との評価は『金の名刺』です」と笑顔で言った。買収業者は青海産のクコを評価しており、1ムー(約0.0006平方キロ)当たり5000元(約10万9000円)の買い取り価格を保証しているという。

 2023年における同州でのクコの栽培面積は2万7600ヘクタールで、乾燥クコの生産量は中国全国の20%に近い9万1300トンに達した。生産額は33億2000万元(約721億円)で、全州の農牧業の全体の42.3%を占めた。産業チェーン全体では生産額が120億元(約2610億円)に達した。

 エネルギー関連では、青海省のクリーンエネルギー総設備は2023年末時点で5107万9000キロワットに達し、クリーンエネルギー施設の割合、新エネルギー施設の割合、非水力系再生可能エネルギーの消化率が全国トップを維持し、リチウムイオン電池の生産量は中国全国の10分の1を占めた。青海省の発展における「グリーンの含有量」は絶えず向上している。

 良好な生態環境は青海省に暮らす人々に幸せを与える公共財だ。さらに、全住民の1人当たり可処分所得の伸び率は経済成長率を上回り、農牧民所得の伸び率は全国平均水準を上回り、都市部と農村部の住民の所得格差は引き続き縮小した。

 青海省には大河の源流となる湿地帯があり、雪に覆われる山があり、ゴビ砂漠の一部もある。そして人々が集まる街が点在している。そのような多様な条件を持つ青海省では、生態保護と民生の発展が相乗効果を発揮しつつ前進している。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News