【5月9日 Xinhua News】中国四川省広漢市にある三星堆博物館の陳列保管部副部長、郭漢中(かく・かんちゅう)さん(55)は、文化財修復作業に携わり40年になる。文化財修復の専門家として三星堆遺跡で見つかった8カ所の祭祀(さいし)坑全ての発掘に参加し、文化財6千点余りを修復した。郭さんと同僚の手により、青銅縦目仮面や青銅大立人像、青銅神樹など三星堆を代表する文化財が復元され、ほぼ完全な形で人々の目の前に姿をよみがえらせた。

 長い実践の中で、郭さんは歴史や考古学、塑造(そぞう)、彫刻、美術などを独学し、従来の修復技術と現代科学技術を結合。可塑性材料による欠損部の補填や黄泥を使った石膏型などの修復技術を生み出したほか、発掘道具も300点近く自作した。昨年2月には、卓越した技術を持つ職人を表彰する2022年「大国工匠年度人物」10人の一人に選ばれた。

 三星堆遺跡の祭祀エリアは現在、フィールドワークが完了し、作業の重点は屋内での出土品の整理や保護、修復に移っている。郭さんは「修復を待つ文化財は1万点以上ある。われわれの世代では終わらないので代々受け継いでいく必要がある」とし、学んだことを次の世代に伝え、より多くの人材を育てていきたいと語った。(c)Xinhua News/AFPBB News