【5月8日 AFP】ベラルーシ国防省は7日、アレクサンドル・ルカシェンコ(Alexander Lukashenko)大統領の指示で、非戦略核兵器(戦術核兵器)の運搬手段の抜き打ち点検を開始したと発表した。

 前日にはロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領が、核兵器の使用を想定した演習の実施を命じ、ウクライナで核兵器が使用される懸念が高まっている。

 戦術核兵器はミサイルにも搭載可能で、局地的な戦闘での使用を想定している。都市全体を壊滅させる目的で使用される戦略核兵器ほどではないが大きな破壊力を持つ。戦闘で使用された例はない。

 ベラルーシ国防省によれば、点検は「戦術核弾頭による攻撃の計画、準備、使用」をテストするもので、スホイ25(Su25)戦闘機部隊が参加する。

 ルカシェンコ氏は、点検は「純粋に防衛」目的であり、軍は「想定されるベラルーシへの攻撃を退けるためのミサイル攻撃」の演習を行っていると主張。

「われわれが核戦争の瀬戸際にこれほど近づいたことはない。私は平和主義者で、戦争は望んでいない」と、対独戦勝記念日を前にした演説で語った。

 ベラルーシは核兵器を保有していないが、ウクライナをめぐる緊張が高まる中、昨年、ロシアの戦術核弾頭の自国内への配備に合意した。(c)AFP