【5月6日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)前米大統領は4日、ジョー・バイデン(Joe Biden)政権は司法制度を武器として使い自らを攻撃しているとして、ナチス・ドイツ(Nazi)の秘密警察ゲシュタポ(Gestapo)の手法になぞらえた。米メディアが5日報じた。

 ニュースサイト「ポリティコ(Politico)」によると、トランプ氏はフロリダ州の自邸「マーアーラゴ(Mar-a-Lago)」で行われた共和党幹部や大口献金者との私的な会合で、90分間にわたり演説。出席者の1人が提供した録音音声によれば、同氏は民主党について「ゲシュタポ政権を運営している」「それが彼らが(大統領選で)勝てる唯一の方法だ」と非難した。

 トランプ氏の発言は、複数の副大統領候補を含む出席者から喝采を浴びたという。

 トランプ氏はまた、不倫相手のポルノ俳優に口止め料を支払ったとされる事件をめぐる裁判など、自身に対して4つの訴訟を起こした検察当局に改めて怒りをぶつけ、大統領選のライバルを排除するためにバイデン政権が企てた「魔女狩り」だと主張した。

 ホワイトハウス(White House)のアンドルー・ベイツ(Andrew Bates)報道官は5日、トランプ氏の発言を受け、「バイデン大統領はぞっとするファシスト(トランプ氏)の口調をまねたり、ネオナチ(Neo-Nazi)と昼食を共にしたり、勇敢な警察官の命を奪うこととなった虚偽に基づく陰謀論を扇動(2021年の連邦議会襲撃事件のこと)したりするのではなく、われわれが共有する民主主義的価値観と法の支配を軸に米国民を団結させようとしている」と語った。

 バイデン陣営も「周知のことだが、トランプ氏の選挙運動はトランプ氏自身のためのものだ。彼の怒り、復讐(ふくしゅう)、うそ、そして報復のためのものだ」とコメントした。(c)AFP