【5月1日 AFP】国際司法裁判所(ICJ)は4月30日、ドイツの対イスラエル武器輸出の緊急停止を求める中米ニカラグアの請求を却下した。

 ニカラグアは、ドイツがパレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)に軍事侵攻するイスラエルに兵器を提供することで、国連(UN)のジェノサイド(集団殺害)条約に違反していると主張し、ドイツを提訴した。

 だが、ナワフ・サラム(Nawaf Salam)裁判長は、ICJに示された状況はドイツの対イスラエル武器輸出をめぐり「暫定措置」を講じる正当な理由にならないと述べた。

 ICJは、ガザ紛争開始後の昨年11月以降、ドイツからイスラエルへの軍事物資の供給は「ドイツの主張通り」実際に大幅に減少していると認めた。

 ドイツ外務省はX(旧ツイッター)に発表した声明で「法の上に立つ者はいない。これがわが国の行動指針だ」と述べ、ICJの判断を歓迎した。

 一方、ICJのニカラグア代表カルロス・アルゲリョ(Carlos Arguello)氏は記者団に「パレスチナ人はもう少し期待していた」と反応。「いずれにせよ現在の事態が続いたり進展したりすれば、ニカラグアは裁判所(ICJ)に対し再び、この問題に注意を向けさせるだろう」と述べた。

 ICJは双方の主張を引き続き審理するとしている。

 ニカラグア側の弁護団は、イスラエルの主要同盟国である米国ではなくドイツを訴えたのは、米国がこの問題に関するICJの管轄権を認めていないからだと述べた。(c)AFP