【4月30日 CNS】昨年の発行量が歴史的な高水準を記録した後、2024年第1四半期にパンダ債は再び好調なスタートを切り、多くの債券が歴史的な記録を更新した。今年に入ってから4月14日までに、パンダ債は合計29件が発行され、発行額は660億元(約1兆4285億円)に達し、昨年同期比で128.37パーセントの増加を見せている。

 パンダ債は外国債券の一種で、海外の機関が中国国内で人民元建てで発行する債券だ。パンダ債はスタートが遅れたが、近年の発展の速度は決して遅くはない。

 市場分析によると、中国と先進経済体の金融政策サイクルが逆行していることが、近年のパンダ債の発行速度と規模の顕著な加速の主な理由だ。

 しかし、広い視野で見ると、パンダ債の加速には、国内外の金利差以外の要素も関わっている。中国の金融改革と開放の重要な突破口として、パンダ債は重要な発展の機会を迎えている。その背後には、人民元の「融資通貨」としての機能が持続的に強化されていることがある。

 人民元のグローバル化が進む中、近年、人民元は越境決済、外貨準備、金融取引、通貨スワップなど多くの分野において、その使用頻度が顕著に増加しており、これが海外機関による人民元建て債券の発行への関心を高めている。国際銀行間通信協会(SWIFT、スイフト)の2月のデータによれば、人民元は4か月連続で世界で4番目にアクティブな通貨として位置づけられている。

「一帯一路(Belt and Road)」イニシアチブも、パンダ債市場の発展潜在力をさらに拡大している。現在、「一帯一路」に参加する国々からのパンダ債の発行主体が増加傾向にある。また、「一帯一路」による国際協力の枠組みの拡大につれ、沿線諸国や国際多国間金融機関(MFI)の人民元建て債券の発行ニーズも今後さらに高まると予想される。

 人民元の国際融資ニーズが増加する中、中国の債券市場は開放政策の改善を継続させ、人民元融資の利便性を向上させている。パンダ債市場の発展を踏まえ、中国銀行間市場交易商協会(NAFMII)は一連の改善措置を次々と推進している。これには、登録発行段階での主幹事数の制限撤廃、海外取引所の上場試験プロジェクトの深化、海外機関の債券価格設定と配給販売メカニズムの改善などが含まれる。

 今年に入ってから、市場は米欧の利下げ予想が高まる一方で、中国の金融政策が緩和的であるとの見方も強まっており、人民元の低利融資コストの優位性が維持されることが期待されている。さらに重要なのは、国際通貨システムでの人民元の重要性が徐々に高まり、中国の債券市場が継続的に開放される中で、引き続き、パンダ債の発展の余地は大きく、人民元の国際化プロセスとの相互促進が期待されている。(c)CNS/JCM/AFPBB News