【4月17日 AFP】オーストラリアは17日、同国初となる「国防戦略」を発表した。中国による「威圧的な戦術」や太平洋地域における紛争リスクの高まりなど地域の脅威に焦点を合わせたものとなっている。

 戦略には、ステルス性を備えた原子力潜水艦部隊編成のほか、ミサイル防衛能力を3倍に高めたり、水上戦力を増強したりすることなどが盛り込まれた。

 リチャード・マールズ(Richard Marles)国防相は、「冷戦(Cold War)終結後の国防計画が立脚していた楽観的な想定は過去のものとなった」と指摘。「中国は戦略目標の達成に向け威圧的な戦術を採用している」とし、「オーストラリアとしては紛争に備え、10年というような余裕ある戦略警戒期間を設けることはもはやできない」と語った。

 その上で、世界中ほぼどこにでも展開できるバランスの取れた軍を目指すのではなく、近隣地域で国益の保護に注力することになると述べた。

 マールズ氏は、「わが国は海上貿易をなりわいとする島国だ」とし、通商や重要なシーレーン(海上交通路)へのアクセスを阻害しようとする敵への対応能力が必要だと語った。(c)AFP