【3月28日 CGTN Japanese】中国中部にある湖北省博物館はこのほど、2000年以上前の秦の時代の末端官吏「喜」の3D復元像と、湖北省雲夢県睡虎地にある秦の時代の墓から出土した人骨に対する総合的な研究成果を発表し、勤勉で生き生きとした秦の末端官吏の姿を再現しました。

 1975年に睡虎地にある秦の時代の墓から出土した竹簡は、秦の法律に関する神秘のベールを上げ、後に全国の「百年百大考古学発見」に入選したこともあります。湖北省博物館、湖北省文物考古研究院、吉林大学考古学院は、2019年から雲夢睡虎地M11墓の墓主の「喜」の骨格に対して体質人類学などの総合的な研究を行っています。

 湖北省博物館の王先福副館長によると、「喜」の各部分の骨格は比較的保存状態が良く、頭蓋骨、下顎骨、骨盤などの形態的特徴を総合的に観察した結果、墓主は男性であることが証明され、大腿骨の最大長から、身長は161.5センチ、左側大腿骨の最大径から体重は59.9キロと推定されています。恥骨結合面や臼歯の磨耗度合いなどから総合的に判断すると、年齢は45〜50歳と考えられます。王先福副館長はまた、「『喜』は生前、肩の高さがふぞろいで、頸椎症を患っており、常に正座していることで下肢に損傷を負っていた。これらは長い間、文字や歴史の記載のため机に向かう仕事に従事していたことと関係があるだろう」と説明しました。

「喜」に対する感性的な認識を深めるため、研究者は協力して「喜」の姿を復元しました。「喜」の頭蓋骨に基づき、2次元測定と3次元パノラマ写真技術によって正確なデータを収集し、高精度の頭蓋骨3次元モデルを再現し、その顔の特徴を正確に分析しました。また、顔面の筋肉の付き方をシミュレーションし、顔面の軟組織を付け加え、バーチャル素材の比較技術やデジタル雕刻技術などを総合的に駆使して顔の白膜を生成し、顔立ちを整え、皮膚の質感や毛髪を加え、さらにこの化石の生物人類学的情報と発掘された遺跡の環境的要素を考慮して、肌、髪、瞳の色などの特徴を復元しました。

 半世紀近く前に出土した湖北省雲夢睡虎地の秦時代の竹簡は、中国の考古学史上初めて発見された秦簡で、その墓主「喜」は考古学業界では、これまで常に注目されてきました。雲夢睡虎地M11墓からは計4万字余りが記された1155枚の竹簡が出土しましたが、これらの竹簡はいずれも「喜」の副葬品であり、当時の法律制度、行政文書、医学書などのほか、秦昭襄王元年(前325年)から秦始皇帝30年(前217年)に秦が六国を滅ぼして全国を統一するまでの大きな事件を生前に抜粋して記録したものです。「喜」の3D復元像は年内に湖北省博物館の通史展示室で展示されるということです。(c)CGTN Japanese/AFPBB News