【3月8日 AFP】英国貴族の女性とそのパートナーの生後間もない娘が腐乱遺体で見つかった事件をめぐる裁判が7日、ロンドンの中央刑事裁判所で行われた。

 過失致死罪に問われているのは、英王室と歴史的つながりがある貴族の出身であるコンスタンス・マーテン被告(36)とパートナーのマーク・ゴードン被告(49)。

 警察は昨年1月、イングランド北西部マンチェスター郊外の幹線道路脇で、燃えた車両とその中から胎盤を発見した。

 2人は約2か月後、イングランド南岸ブライトン(Brighton)で逮捕された。

 さらにその数日後、菜園に放置された買い物袋の中から生後間もなかった2人の娘、ビクトリアちゃんの遺体がひどく腐敗した状態で見つかった。

 2人は重過失致死罪で起訴された。マーテン被告は裁判で、他の4人の子どもが児童福祉制度で保護されたため、残るビクトリアちゃんを手元に置きたくて逃げたと語った。

 ビクトリアちゃんは2022年12月24日、イングランド北東部ノーサンバーランド(Northumberland)にある貸別荘の寝室で生まれたという。

 両被告は住所不定で、逃亡中はブライトン近郊の田園地帯で冬空の下、テントを張り、「電気のない」生活を3人で送っていたとみられる。マーテン被告はその時期は移動が激しく、詳細を「あまり覚えていない」と語った。

 同被告はビクトリアちゃんについて、テントの中で上着の下に抱いたまま眠ってしまったときに亡くなったとしている。

 ビクトリアちゃんは寒さで死亡したか、あるいは添い寝によって圧死した可能性が疑われている。(c)AFP