【1月17日 AFP】カナダ政府は16日、国内の大学における最先端研究の成果が中国やイラン、ロシアにも共有されるのを防ぐため、政府の資金支援を制限する方針を発表した。

 政府は3か国の大学を含む103の組織について、安全保障上のリスクがあると指摘。内訳は中国が85、イランが12、ロシアが6となっている。国内の研究者は今後、これら組織との共同研究に関しては連邦の資金支援を申請できなくなる。

 制限措置は数か月後に施行される見通し。カナダ保健研究機構(CIHR)、カナダ自然科学・工学研究会議(NSERC)、カナダ社会・人文科学研究会議(SSHRC)からの助成事業に大きな影響が及ぶとみられる。

 政府は、3か国との成果共有が望ましくない重要研究分野として人工知能(AI)、量子科学、ロボット工学、先端兵器などを挙げた。

 フランソワフィリップ・シャンパーニュ(Francois-Philippe Champagne)イノベーション・科学・産業相は声明で、カナダの研究部門は「開かれている」としながら、「そのために外国の影響行使の標的となり、研究開発事業が悪用され国家安全保障を損なうリスクが高まりかねない」と説明した。(c)AFP