【12月22日 AFP】2017年から6年間行方不明となった後、フランスで発見された英国人のアレックス・バティ(Alex Batty)さん(17)は、英紙が22日に掲載したインタビューで、帰国の決心をしたのはより良い将来を望んだからだと明らかにした。

 アレックスさんは、11歳だった17年10月に母親と祖父と共にスペインで消息を絶ったが、先週フランスの山間部で発見された。

 英イングランド北部オールドハム(Oldham)に暮らす、法廷後見人の母方の祖母の元に戻ったアレックスさんは、大衆紙サンに対し、母親と祖父の元を離れることにしたのは、欧州各地を転々とする生活に耐えられなくなったからだと語った。

「自分の将来を考えると、良い生き方ではないと気づいた」「引っ越しを繰り返し、友人もいない、社会的なつながりもない。働きづめで勉強はできない。もしお母さんとこのまま一緒にいたら、それがこれからの自分の人生になるのだと想像した」

 アレックスさんはトゥールーズ(Toulouse)近郊を歩いていた際に、配達員に発見された。健康状態は良好だった。

 アレックスさんは仏捜査官に対し、「スピリチュアルな共同体」の一員として暮らし、同じ場所には数か月しか滞在しない生活を送っていたと証言した。

 同紙のインタビューの中でアレックスさんは、母親のメラニー(Melanie Batty)さんについて、「反政府の反ワクチン派」であり、「体制の奴隷に成り下がる」ことを常に批判しており、「素晴らしい人で大好きだが、素晴らしい母親ではなかった」と語った。口論になった際に「一緒には住めないから出て行こうと思った」としている。

 祖父のデービッド(David Batty)さんについては、仏捜査当局は半年前に亡くなったと発表しているものの、実はまだ生きていると話した。

 さらに、警察には当初、発見されるまで山中を4日間歩いたと話したものの、実際は2日間だけだったと明かし、うそをついたのは母親と祖父を守るためだったと説明した。

 今後は「勉強と、いろいろなことに追い付くのに忙しくなる」と語ったアレックスさんは、いずれはIT関係の仕事に就くことを希望しているという。(c)AFP