【12月6日 AFP】ペルーの憲法裁判所は5日、在任中の人権侵害の罪で服役中のアルベルト・フジモリ(Alberto Fujimori)元大統領(85)の釈放を命じる決定を下した。

 フジモリ氏は1990~2000年に大統領を務めた。対テロ作戦に絡み市民25人を殺害した罪などで禁錮25年を言い渡され、2009年から服役している。

 呼吸器系の疾患や舌がんにかかっており、今年2月には不整脈のため入院が認められた。家族が健康上の理由から釈放を求める嘆願書を複数回出したが、すべて却下されている。

 AFPが確認した裁判文書によると、憲法裁は監督下での「即時」釈放を命じた。2017年に人道上の理由から与えられ、2019年に最高裁判所によって取り消された恩赦についても、改めて適用を認めた。

 憲法裁は昨年にもフジモリ氏の釈放を命じたが、米州人権裁判所の要請を受け、政府が受け入れを拒否していた。今回の決定については上訴できない。

 5日、釈放決定が下された後にフジモリ氏と面会した弁護士はラジオ局RPPに対し、同氏は決定に「非常に満足」していると語った。(c)AFP