【9月26日 AFP】南シナ海(South China Sea)のフィリピンと中国の係争海域で、比沿岸警備隊が中国側が設置したとする障害物(ブイ)を撤去したと発表したことを受けて、中国外務省は26日、比側に対し、「もめ事を起こす」のは自粛するよう警告した。

 問題となっているのは、比ルソン(Luzon)島の西240キロに位置し、中国側からは最も近い海南(Hainan)島から約900キロ離れているスカボロー礁(Scarborough Shoal)。中国側は黄岩(Huangyan)島と呼んでいる。

 比側は、スカボロー礁の周辺海域で活動する自国漁民に定期的に物資を補給している。先週、同礁の入り口に長さ約300メートルの障害物が設置されているのが見つかり、比沿岸警備隊が「大統領の指示に基づき」無事撤去したと発表した。ただし、すべての障害物が撤去されたのかどうかは不明。

 中国外務省の汪文斌(Wang Wenbin)報道官は、「中国は黄岩島の主権および海運上の利権を堅持する」と強調した上で、フィリピンに対し、「挑発したりもめ事を起こしたりするのは慎むよう助言する」と述べた。

 これを受けて、フィリピンのエドゥアルド・アニョ(Eduardo Ano)国家安全保障担当顧問は、障害物は「フィリピンの海運上の権利を侵害」しており、撤去は「権利の十分な範囲内」だと反論した。(c)AFP