【9月25日 AFP】中国・北京を訪問した欧州委員会(European Commission)のバルディス・ドムブロフスキス(Valdis Dombrovskis)上級副委員長(通商担当)は25日、中国での厳格な安保法や貿易の政治化に直面し、同国での立ち位置を自問する欧州企業が増えていると警鐘を鳴らした。

 ドムブロフスキス氏は北京の(Tsinghua University)で講演し、「欧州企業は中国の方向性を憂慮」しており、「この国での立ち位置を自問し始めている」と述べた。

 同氏は、新しい対外国関係法や反スパイ法の改正が「(欧州の)ビジネス・コミュニティーにとって大きな懸念」になっていると指摘。法律が「曖昧で解釈の幅がありすぎる」とした。

「これは欧州企業が順守すべきコンプライアンスを把握できずに困ることを意味する。中国での事業に対する信頼感を大きく悪化させ、新たな投資を妨げる要因となる」

 同氏はさらに、ロシアによるウクライナ侵攻を非難しない中国の姿勢についても言及。中国に対するイメージに影響するとし、その範囲は欧州の消費者だけでなく企業にも及ぶとした。

 中国は、ウクライナ侵攻問題で中立的な立場を表明しているが、国際社会で孤立を深めるロシア政府に対しては極めて重要な外交的・経済的ライフラインを提供している。来月にはロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領の訪中が予定されている。(c)AFP/Sebastien RICCI