【9月12日 AFP】オーストラリア最大の人口を抱えるニューサウスウェールズ(New South Wales)州政府は12日、コアラ保護のため、生息地となっている森林の伐採を禁止すると発表した。

 対象となる森林は広さ約8400メートルで、コアラの個体が集中する「コアラハブ」が106か所あるとされている。

 この地域は、ミッドノースコースト(Mid North Coast)地域に計画されている広さ31万5000ヘクタールの「グレート・コアラ国立公園(Great Koala National Park)」の主要部分を形成する。州政府は今回の決定について、「州内のコアラを絶滅から救うため」と説明した。

 自然保護協議会のブラッド・スミス(Brad Smith)氏は、伐採禁止について「歴史的な前進」だと評価。「森林伐採がコアラや生物多様性に破壊的な影響を与えることが認められたことになる」と述べた。

 世界自然保護基金(WWF)オーストラリア支部の広報担当者、スチュアート・ブランチ(Stuart Blanch)氏は、ニューサウスウェールズ州のコアラの個体数は森林伐採や干ばつ、山火事の影響で急減し、2000~20年に50%以上減少したと指摘した。

 州政府の決定は「この悲劇を好転させるチャンスだ」と述べた。(c)AFP/Sharon MARRIS