【9月7日 AFP】ルーマニアのクラウス・ヨハニス(Klaus Iohannis)大統領は6日、自国領内で無人機の破片とみられるものが見つかったとし、「緊急調査」を指示したことを明らかにした。これに先立ちウクライナは、ルーマニアと国境を接する南西部イズマイル(Izmail)港が3日夜、ロシア軍の攻撃を受けた際、無人機がルーマニア領に落下し、爆発したと主張していた。

 ルーマニア国防省は「調査班が5日夜、無人機の破片らしきものを発見した」と発表。場所はドナウ(Danube)川を挟んでイズマイルの対岸に位置するプラウル(Plauru)村の付近だという。

 ルーマニアはこれまで、ウクライナの主張を繰り返し否定していた。しかし、ヨハニス大統領はこの日、「破片がロシアの無人機のものであることが確認された場合、到底許されることではなく、北大西洋条約機構(NATO)加盟国であるルーマニアの主権および領土の保全に対する重大な侵害となる」と強調した。

 大統領はこの件について、外交ルートを通じてNATO事務総長や他の加盟国にすでに伝えたと説明。NATO報道官はAFPの取材に対し、「われわれは状況を引き続き注視しており、ルーマニアと緊密に連絡を取り合っている」と書面で回答を寄せた。

 NATOは集団防衛を定めた北大西洋条約に基づき、加盟国が攻撃を受けた場合、全加盟国が防衛を支援する義務を負う。(c)AFP