【9月4日 AFP】ウクライナ外務省は4日、ロシア軍が夜間に南部オデーサ(Odesa)州イズマイル(Izmail)港を攻撃した際に、ロシア側のイラン製無人機が北大西洋条約機構(NATO)加盟国である隣国ルーマニア領内に墜落し爆発したと発表した。これに対しルーマニア側は、そうした事実はないと否定した。

 ウクライナ外務省のオレグ・ニコレンコ(Oleg Nikolenko)報道官は国境警備隊の情報として、ロシア軍のイラン製無人機「シャヘド(Shahed)」が夜間にルーマニア領内に落下し、爆発したとソーシャルメディアに投稿した。イズマイルからドナウ(Danube)川を挟んだ対岸はルーマニア領となっている。

 同報道官は、水辺に明るい煙のようなものが上がっている画像を公開した。AFPでは現時点でこの画像の真偽を確認できていない。

 ウクライナ国境警備隊の報道官はAFPに対し、「ロシア軍による夜間の攻撃中、イズマイル港に近いルーマニア領内で2回の爆発が記録された」と明かし、ニコレンコ氏の発表は「信ぴょう性の高い」内容だと述べた。

 一方、ルーマニア国防省は「ロシアが使用した攻撃手段が、ルーマニアの領土や領海に直接的な軍事的脅威を与えたことはない」として、ウクライナ側の情報を全面的に否定した。

 ロシアは黒海(Black Sea)経由のウクライナ産穀物の輸出に関する合意から7月に離脱して以降、イズマイル港を含むウクライナ南部の港を攻撃している。(c)AFP