【8月31日 AFP】フランスのジャーナリスト団体「ソシエテ・デ・ジュルナリスト(SDJ)」は、エリック・デュポンモレティ(Eric Dupond-Moretti)法相が女性記者に向けて「性差別的」な不適切発言をしたと非難した。

 これに先立ち、中部カンタル(Cantal)県オーリヤック (Aurillac)で行われた大道芸フェスティバルのさなかに女性がトップレスで街中を歩き、訴追された。女性は警察に対し、「ものすごく暑かった」ため「男性の半数」がシャツを脱いでおり、自分も同じようにしただけだと説明した。

 デュポンモレティ氏は28日、現地を訪れ、抗議デモで損壊した裁判所を視察した。

 SDJによると、デュポンモレティ氏は記者会見の後、「そういえば、きょう私の前で質問している中に胸をあらわにしている女性ジャーナリストは一人もいなかった。暑さが足りなかったのだろうか?」と述べた。

 ニュース専門局BFMTVのSDJによると、会見の場には、女性記者が2人いた。

 民放TF1のSDJは、「性差別的」な発言であり、「冗談で言ったとしても」「容認できない」と非難した。

 一方、デュポンモレティ氏の関係者は、「根拠のない」批判だと反論し、同氏は「あらゆる形態の性的・性差別的暴力との闘い」に「専心」していると述べた。

 さらに、発言は文脈を無視して解釈されており、現場にいた記者と同様、女性がトップスを着用していることが「順法精神が浸透している証拠」だと指摘したかっただけだと弁明した。

 だが、野党・社会党のオリビエ・フォール(Olivier Faure)第1書記はSDJを支持し、「不適格な大臣による不適切な発言だ」と批判。「デュポンモレティ氏は性欲を公務外で処理すべきだ」と皮肉った。(c)AFP