【4月20日 AFP】長引く内戦と貧困に苦しむ中東イエメンの首都サヌアで19日、慈善事業の現金配布イベントに人が殺到し、80人以上が死亡、数百人が負傷した。反政府勢力フーシ派(Huthi)が発表した。

 事故が起きた学校には、イスラム教の断食月「ラマダン(Ramadan)」の終わりを祝う大祭「イード・アル・フィトル(Eid al-Fitr)」を前に、現金5000イエメン・リアル(約1000円)を受け取ろうと数百人が集まった。

 フーシ派幹部によると、85人が死亡、322人以上が負傷した。死者には女性や子どもも含まれていた。イベントの責任者らが逮捕されたという。

 テレビ局アルマシラ(Al-Masirah)が放送した動画には、遺体の山を乗り越えて争うように逃げようとする人の様子が映っていた。

 フーシ派の「最高革命委員会(Supreme Revolutionary Committee)」のムハンマド・フーシ(Mohammed al-Huthi)委員長によると、イベント開始まで学校の裏口に通じる狭い通路に「過密状態」で押し込められていた人々が、開門と同時に中庭に続く狭い階段に流れ込み惨劇が起きた。

 だが、銃声が聞こえてパニックが発生したという目撃情報もある。(c)AFP