【9月13日 AFP】英ロンドンで12日、チャールズ国王(King Charles III)が即位後初の演説を行っていた議会の外で、男女2人が君主制に反対する抗議を行った。周囲の群衆は2人にブーイングを浴びせた。

 2人は「封建制度を終わらせろ」「君主制廃止を」「私の王ではない」と書かれたプラカードを掲げた。

 男性はAFPに対し、現代において権力が世襲されるという原則は「絶対に許しがたい」と語った。「ある一族に生まれたというだけで政治権力が引き継がれることについて哲学的、倫理的な正当性は一切ない」と主張した。男性は名前を明らかにしていない。

 2人は主に、王室の公務費として毎年、巨額の税金が充当されていることを批判している。2020~21財政年度には、約8600万ポンド(約143億円)の王室助成金(Sovereign Grant)が国庫から支出された。

 夕刊紙イブニング・スタンダード(Evening Standard)は、この後、女性がプラカードを持ったまま、警察によって議会に近い場所から移動させられる様子を捉えた動画を伝えた。

 エリザベス女王(Queen Elizabeth II)の死去に伴うチャールズ国王の即位は、英国内ではおおむね好意的に受け止められている。

 ただ、スコットランドの中心都市エディンバラでもこの日、女王の葬列の近くで「治安を乱した」疑いで、52歳と22歳の2人が相次いで逮捕された。

 うち1件の現場を捉えた動画には、女王のひつぎを乗せた霊きゅう車の後方を歩くアンドルー王子(Prince Andrew)に対し、若い男性が「お前は病んだ老いぼれだ」と叫んだところ、乱暴に排除される様子が映っている。(c)AFP