【5月18日 AFP】フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ(Rodrigo Duterte)大統領は、南シナ海(South China Sea)問題で主要閣僚らが中国政府と舌戦を交わしたことを受けて、同問題に関し閣僚らが公の場で発言することを禁止した。

 中国は南シナ海のほぼ全域について領有権を主張している。今年3月、フィリピンの排他的経済水域(EEZ)内で数百隻から成る中国船団が目撃されて以降、中比間の緊張が急激に高まった。

 この問題で、ドゥテルテ大統領は中国との表立った対立に消極的な態度を見せてきたのに対し、外相や国防相は、中国政府が船団の引き揚げを拒んだことを繰り返し批判してきた。

 今月初めにはテオドロ・ロクシン(Teodoro Locsin)外相がツイッター(Twitter)上で、過激な言葉で中国船団の引き揚げを要求。中国政府からの非難を招き、ロクシン氏は後日、中国外相に謝罪した。

 またデルフィン・ロレンザーナ(Delfin Lorenzana)国防相も、中国船団の存在を「侵入」と表現していた。

 ドゥテルテ大統領は、17日夜に公開された録画演説で、「これは私から内閣への命令だ、西フィリピン海(南シナ海の比国内での呼称)問題の議論は、相手が誰であろうと控えるように」とくぎを刺した。

 さらに「話す必要があるなら、内輪だけで話す」よう促し、この問題に関し公の場での発言が許されるのはハリー・ロケ(Harry Roque)大統領報道官だと述べた。(c)AFP