南沙諸島周辺海域に「群がる」中国船団 フィリピンが非難
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【4月1日 AFP】フィリピン当局は3月31日、同国沖の礁に停泊していた中国船団が、今では南沙諸島(スプラトリー諸島、Spratly Islands)周辺の係争海域各地で確認されているとして、中国の「侵犯行為」を非難した。
南シナ海(South China Sea)に浮かぶパラワン(Palawan)島の西方約320キロに位置するウィットサン礁(Whitsun Reef)で、約220隻の中国船団が最初に確認されたのは3月7日。フィリピン政府は領海侵犯だとして、船団の撤退を中国政府に要求した。
この船団について中国側は、悪天候を避けようとしている漁船だと主張。これに対しフィリピン側は、中国の海上民兵だと訴えている。中国は、海上民兵を使って同海域でひそかに軍事作戦を展開していると繰り返し批判されてきた。
南シナ海の係争海域の監視に当たるフィリピン政府の対策チームは、空海の巡視部隊が今週、ウィットサン礁で依然停泊を続ける中国船44隻を確認したと説明。さらに現在約210隻が同域の別の礁や島に「群がっている」と形容し、「中国海上民兵の侵犯行為が続いていることへの深い懸念」を表明した。
フィリピン軍は31日、同軍機が偵察飛行中に無線による警告を受けたと発表。ウィットサン礁上空を飛行する同機に同乗した地元取材班は、中国側から同機に対し、「誤解を招きかねないいかなる動きも避ける」ため、同域を出るよう要求を受けたと伝えている。
係争地域での緊張が改めて高まっていることについて、米国をはじめとする複数の国が懸念を示している。(c)AFP