■害獣の出現

 カザフスタンのユリア・プチンツェワ(Yulia Putintseva)は、他の選手たちとは違って、ホテルの部屋にいるのは自分一人きりでないことを知った。

 同選手は部屋にネズミが走り回っている動画を投稿し、別の部屋に移ろうとしたが、厳しい隔離規制で認められなかったとツイート。望まないルームメートが出現したのは、隔離場所を選んだ当局の落ち度であると指摘し、「他の選手がいるような最高のホテルに、私を入れてくれなかった!」と訴えた。

■「クレイジー」な状況への不満

 食事やトレーニング方法の変更について投稿している選手がいる一方で、新たな環境に不満を訴えている選手たちもいる。

 オーストリアのフィリップ・オスワルド(Philipp Oswald)は、2週間の隔離措置は「クレイジー」であると訴え、この新ルールに関してチャーター機に乗り込む前には「一度も伝えられていなかった」と話した。

 女子世界72位のソラナ・シルステア(Sorana Cirstea、ルーマニア)は、厳しい隔離措置の可能性を知っていればオーストラリアに渡航するつもりはなかったとしている。

 大勢のオーストラリア人が海外で足止めされている中、ソーシャルメディアではそうした選手に対して、自由に入国しながら文句を言っていると冷ややかな声が上がっている。

 元テニス選手で指導者でもあったロジャー・ラシード(Roger Rasheed)氏は、選手たちの置かれている状況は事前に分かりきっていたことだと指摘し、オンラインで不満を訴える選手たちに対し、隔離生活によりポジティブに向き合うよう訴えている。

「厳しい衛生対策の下で入国できる選手たちは幸運だし、パンデミックの中で四大大会(グランドスラム)でプレーできることに感謝すべきだ」 (c)AFP