【1月16日 AFP】米製薬大手のファイザー(Pfizer)は15日、独製薬ベンチャーのビオンテック(BioNTech)と共同開発した新型コロナウイルスワクチンについて、向こう3~4週間にわたり出荷ペースを落とすと発表した。ベルギーにある主要工場での製造能力向上に向けた作業が理由。世界各国が進めるワクチン接種計画にとって大きな打撃となる。

 ファイザーによると、ベルギーのプールス(Puurs)にある工場で、生産能力を来月中旬から増強するための改修が必要となった。2月下旬から3月にかけての出荷は「大幅に増える」予定だという。欧州委員会(European Commission)も、第1四半期の納品が確約された分は予定通り届く見通しだとしている。

 一方、ワクチンの追加供給を待ち望んでいる欧州連合(EU)加盟諸国は不満をあらわにした。

 EU最大の経済大国であるドイツは「直前で予想外の」出荷遅延に遺憾の意を表明。EUのワクチン調達を一括して担当した欧州委員会に対し、今後の出荷について「透明性と確実性を要求する」よう求めた。

 デンマーク、エストニア、フィンランド、ラトビア、リトアニア、スウェーデンのEU北部6か国も欧州委員会に対する書簡で、遅延は「受け入れられない」もので、「ワクチン接種計画の信用を下げる」と警告した。(c)AFP/Hui Min NEO