キリン、ミャンマー軍人権侵害との関係調査「結論に至らず」と発表
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【1月8日 AFP】ビール大手キリンホールディングス(Kirin Holdings)は7日、ミャンマーにある合弁会社から軍に渡った資金が人権侵害行為に用いられたかどうかをめぐる調査について、「確定的な結論に至らなかった」と発表した。
ミャンマーは、2017年に軍がイスラム系少数民族ロヒンギャ(Rohingya)を弾圧し、75万人が隣国バングラデシュの難民キャンプへの避難を余儀なくされたとして、「ジェノサイド(集団殺害)」だとして国連(UN)の裁判所に提訴された。ミャンマー側は、ジェノサイドの事実はないと否定している。
人権団体や国連調査員らからの批判を受けたキリンは昨年、コンサルティンググループのデロイト(Deloitte)に、軍が所有する醸造所との事業からの収益金の使用について調査を依頼。
キリンは「残念ながら、確たる判断に必要な情報をデロイトが十分に入手できなかったため、確定的な結論に至らなかった」と明かすとともに、合弁事業による収益が軍事目的に使用されることは「全く受け入れられない」と改めて強調した。
人権団体ビルマ・キャンペーンUK(Burma Campaign UK)は同社を、軍との関係がある国際企業の「ダーティーリスト」に加えている。今回のキリンの発表について同団体は「茶番めいている」と批判した。(c)AFP