【11月6日 AFP】3日に行われた米下院選挙で、25歳の共和党候補マディソン・コーソーン(Madison Cawthorn)氏(25)が当選を確実にし、近代史上で最年少の下院議員となる見通しとなった。同氏は対立候補と熾烈(しれつ)な争いを繰り広げた選挙戦で物議の人物となっていた。

 開票がほぼ完了した時点で、コーソーン氏はノースカロライナ州第11選挙区で54.5%を獲得し、対立する民主党候補の退役軍人、モー・デイビス(Moe Davis)氏(62)を破った。CNNによると、史上最年少の米下院議員は1797年に22歳で当選したウィリアム・C・C・クレイボーン(William C.C. Claiborne)。コーソーン氏は2018年に当選した民主党の左派下院議員、アレクサンドリア・オカシオコルテス(Alexandria Ocasio-Cortez)氏(29)よりも4歳若い。

 コーソーン氏は18歳で事故により体の一部がまひして以降、車いすで生活を送っている。銃規制や中絶に反対の立場を取り、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領を支持。8月に行われた共和党の党大会では演説をした。

 コーソーン氏は選挙戦で対立候補のデイビス氏を猛攻撃し、政府の操り人形であり、宗教の自由を無視していると批判した。

 だがデイビス氏も、コーソーン氏が女性に不適切な行為をした疑惑などを持ち出して応酬。同氏を「資質ゼロで虚言癖のある性的搾取者」や「不道徳者」と呼び批判した。コーソーン氏は不適切行為の疑惑を否定している。

 コーソーン氏はさらに、アドルフ・ヒトラー(Adolf Hitler)の別荘の一つで、「イーグルズ・ネスト(Eagle's Nest)」とも呼ばれるドイツのケールシュタインハウス(Kehlsteinhaus)で兄と一緒に撮った写真をインスタグラム(Instagram)に投稿したことでも物議を醸した。

 写真には「総統の別荘。イーグルズ・ネストを見ることは、しばらく前から自分が死ぬまでにやりたいことのリストに入っていた。期待は裏切られなかった」とのコメントが付けられていたが、同時にヒトラーを「究極悪」とも呼んでいた。批判を受けたコーソーン氏は、自分は訪問時、ヒトラーを打ち負かした兵士たちの喜びについて思いをはせていたと弁明した。

 さらに今週、コーソーン氏は当選確実の知らせを受けてツイッター(Twitter)に「リベラル派よ、もっと泣け」と投稿。社会の分断を埋めるとの約束に反するこの高慢なコメントはさらなる批判を呼んだ。(c)AFP