【10月4日 AFP】インドでカースト最下層のダリット(Dalit)の女性(19)が集団レイプされ死亡した事件で、捜査の不手際を理由に警察幹部ら5人が停職処分を受けた。事件を受け、インド全土では怒りの声が上がっており、数日にわたって抗議デモが続いている。

 北部ウッタルプラデシュ(Uttar Pradesh)州のヨギ・アディティナット(Yogi Adityanath)州首相は2日夜、ハトラス(Hathras)地区の警察長と他4人を停職処分にしたと発表。

 ヒンズー教の僧侶でナレンドラ・モディ(Narendra Modi)首相とも近い関係のアディティナット氏はまた、犠牲者の遺族、容疑者、停職処分を受けた警察幹部ら全員が、うそ発見器と薬物検査を受ける予定だと明らかにした。

 女性は9月中旬に住んでいた村の近くで重体の状態で発見され、今週、ニューデリーの病院で死亡。警察は、上位カーストの男4人を集団レイプと殺人の疑いで逮捕した。

 しかし警察幹部は10月1日、捜査報告書や検視結果によると女性はレイプされていなかったと主張。女性とその母親の話や、伝えられる病院の診断と食い違っており、さらなる怒りの声が巻き起こった。

 ニューデリー中心部で行われた2日夜の抗議集会には、デリー首都圏の首相やダリット出身の著名な政治家ら約500人が参加した。(c)AFP