■最新の紫外線(UV)技術

 紫外線のうち、紫外線C波(UVC)を照射するUVCランプは、以前から殺菌やウイルス除去、カビ対策といった目的で病院や食品加工業を中心に利用されている。

 だが、地表に到達する通常の太陽光には含まれていないこのUVCは、皮膚がんや眼疾患などを引き起こすため、直接的な暴露には危険を伴う。つまり、人のいないときにしか使用できない。

 米コロンビア大学(Columbia University)の研究者らはここ数年、最新型のUVCランプの開発に取り組んでいる。同大のランプの「遠紫外線C波」の波長は比較的短い222ナノメートルで、微生物にとっては致命的だが、人間には無害だ。

 物理学者のデービッド・ブレナー(David Brenner)氏率いる研究チームは6月、自分たちが開発したUVC技術によって、空気中の飛沫内に存在する季節性コロナウイルスの99.9%を消滅させることができるとする論文を、英科学誌ネイチャー(Nature)系のオンライン科学誌「サイエンティフィック・リポーツ(Scientific Reports)」に発表した。

 一方、日本のウシオ電機(Ushio)がすでに米国で遠紫外線C波ランプの販売を開始しているが、同社ウェブサイトによると、人がいるスペースで使用できる準備が整う時期がいつになるかは、現在進行中の安全性研究にかかっているという。

■抗ウイルス性被膜

 接触感染も新型ウイルスの潜在的リスクの一つだ。頻繁な手洗いや物体表面の消毒といった指示が出されているのはそのためだ。

 持続効果のある抗微生物性コーティング剤も、消毒剤を補うものとして利用できるが、10年前に登場したこの技術はこれまでのところ主に病院での使用に限定されている。

 米アリゾナ大学(University of Arizona)の研究者らは最近、SARS-CoV-2に対する新たな防御手段の一つとして被膜処理を広く利用することを提案した。

 米企業アライドバイオサイエンス(Allied BioScience)が開発した、第4級アンモニウムポリマーでできた抗ウイルス性コーティング剤は、SARS-CoV-2の近縁のコロナウイルスを物体表面上で10分間に90%減らせることが明らかになっている。

 この抗ウイルス性コーティング剤は、コロナウイルスのタンパク質を「変性させ」(実質的に形態を崩し)、ウイルスを保護している脂質層を破壊することで作用する。コーティング剤は無色で、物体表面に吹き付けて使用する。3~4か月ごとに塗布し直す必要がある。

 ただし米疾病対策センター(CDC)は最近、物体表面を介した感染については、これまで一部で考えられていたような新型コロナウイルスの主要な拡散経路ではない可能性が高いとする見解を表明した。(c)AFP/Issam AHMED