【7月9日 AFP】オーストラリア政府は9日、豪国内に滞在している香港人のビザ(査証)を延長すると発表した。永住権取得に道を開くもので、香港との間に結ばれた犯罪人引き渡し条約も停止する。中国の「香港国家安全維持法」導入を受けた対応で、中国政府の反発は必至だ。

 スコット・モリソン(Scott Morrison)豪首相は国家安全維持法について、「状況を根本的に変化させるもの」と指摘し、すでに中国政府と香港当局には豪政府の対応について通告したと明言。

 学生ビザや短期就労ビザで滞在している約1万人の香港市民について、現在保持しているビザの有効期限にかかわらず、2025年7月まで滞在を延長することが認められると述べた。

 モリソン氏はさらに、香港市民から今後ビザの申請があった場合、永住権取得につながる期限5年のビザを発給する意向も示した。(c)AFP