新型コロナ、軽症でも脳に損傷の恐れ 英研究
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【7月9日 AFP】新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の重症患者に神経系の合併症リスクがあることは知られているが、英ユニバーシティー・カレッジ・ロンドン(UCL)の医学研究チームは8日、せん妄や神経系の損傷、脳卒中など命の危険がある合併症は当初考えられていたよりも一般的で、軽症の患者にも深刻な問題を引き起こす恐れがあると警鐘を鳴らした。
学術誌「ブレイン(Brain)」に発表された論文によると、COVID-19と診断された入院患者と感染疑いの患者合わせて43人の神経系の症状を調べたところ、一時的な脳機能障害が10例、脳の炎症が12例、脳卒中が8例、神経系の損傷が8例見つかった。
脳の炎症が確認された患者のほとんどは、急性散在性脳脊髄炎(ADEM)と診断された。
UCL神経学研究所(Queen Square Institute of Neurology)とUCL病院NHS財団トラスト(UCL Hospitals NHS Foundation Trust)に所属するマイケル・ザンディ(Michael Zandi)氏は、「脳の炎症など神経系の症状のある人が予想以上に多く、それは呼吸器症状の重症度とは必ずしも相関していないことを確認した」と述べた。
神経系の症状がみられた患者はいずれも、脳脊髄液から新型コロナウイルスは検出されず、ウイルスが脳を直接攻撃していないことが示唆される。
研究チームは、恐らく重要であろう点としてADEMの発症は「COVID-19の呼吸器症状の重症度とは関連していない」と結論づけている。(c)AFP/Patrick GALEY